Wリーグ2021-22 プレーオフファイナル プレビュー

前回記事の最後の方で述べたとおり、富士通の強みはあるものの、トヨタ自動車がだいぶ優位な構図ではあると思う。なので富士通視点でファイナルをプレビューしてみます。

 

  • ミッドランドスクエアをどう打開するか

※エブリン選手、ステファニー選手、ソハナ選手が構築する壁のことを勝手に名付けただけですw

ステファニー選手が3番ポジションで無双できるのがトヨタ自動車最大のストロングポイントだと思うが、Wリーグ屈指のディフェンダーでサイズもある内尾選手がいる富士通相手だとそうもいかない。4番ポジションにはあの宮澤選手がいて、内尾選手、宮澤選手の控えには内野選手。トヨタ自動車はもっと層が厚いが、セミファイナルと同じようには戦えない。ただ最前線の高さには圧倒的にトヨタ自動車に分がある。機動力重視なら昨シーズンまでのように長岡選手をここに起用することも出来る。

サイズのある栗林選手、大学で3年間ソハナ選手と切磋琢磨してきた山下選手がいるが、ともにプレーオフ未出場。田中選手、藤本選手ですらプレーオフはともに5分未満の出場。インサイドで勝負する気はハナからなさそうで(笑)、となるとデンソーのように前からダブルチームやブリッツで当たってスティール狙いか?実際トヨタ自動車セミファイナルでも特にgame2は11スティールを喫しており、狙い所ではある。

とはいっても同じやり方でトヨタ自動車から2勝するのは至難の業。(中村選手が欠場していた事情はあるにせよ)レギュラーシーズンのENEOS戦のようにインサイドのタイムシェアが必要だし、秘策なしにミッドランドスクエアは打開できない。宮澤選手をポジションアップし、オコエ選手と中村選手を併用くらいしかやらない気がする…

ウーン…インサイドは圧倒的にトヨタ自動車有利だな。。

 

  • ガード陣のスピードを最大限活かす

※ここは特にネーミングとかなしですw

トヨタ自動車のディフェンスはオールスイッチ。それでもヘルプ、ダブルチームは基本なしで抑えられるフィジカル、機動力を備えた選手が揃っているが、さすがにソハナ選手や河村選手と町田選手や篠崎選手のマッチアップになるとスピードで振り切られる。ミスマッチを多く作り出すにはオフボールの動きをもっと活発にし、セットオフェンスの種類も増やしたいところ。ソハナ選手や河村選手をディフェンスで疲弊→トヨタ自動車のオフェンスでタフショットや単騎攻めを誘発→ターンオーバー・オフェンスリバウンド与えない→ファストブレイクの流れを作りたいのが富士通。走るだけでなくかつてのENEOSのように宮澤選手や篠崎選手の3ptシュートも織り交ぜられると富士通はイケイケ(死語?笑)

ただ富士通が走り始めたらトヨタ自動車は永田選手、長岡選手のプレータイムを増やして、対抗してくるはず。トランジションバスケに手を打たれた時に次の手はあるか。

これまたウーン…ですね。。

 

  • 宮澤選手、中村選手の常勝軍団での経験

彼女たちが富士通にもたらしたものは多大だと思う。ENEOSとの対戦でもSFgame2の4Qこそ追い詰められた相手の圧に苦しんだものの、堂々とした戦いぶりだった。

…いやトヨタ自動車はほとんどが昨シーズンの優勝メンバー。今シーズンは皇后杯富士通に敗れたのを機にグレードアップして、ENEOSに連勝してますね。経験値では互角考えていいでしょうか。

 

移動負担に関しては昨シーズンの方がファイナルまでの間隔が短い過密日程で、それを乗り越えてトヨタ自動車が優勝しているし、今シーズンのセミファイナルは富士通の方が体力的な消耗が激しいはず。富士通の方がファン数は多いが、三好選手に花道を!という声も多くある。富士通ホームアドバンテージといってもトヨタ自動車のFTで大ブーイングとか選手入場時に発煙筒や豚の頭が飛んでくるわけでもないw

よって移動負担、応援は誤差の範囲内ですかね笑笑

 

富士通視点で考えてみたけど、贔屓目なしで(?)トヨタ自動車が圧倒的に優位。2試合とも1ポゼッション差の大接戦、富士通が1勝というケースはあるにせよ、トヨタ自動車が2連覇を飾る可能性が高いと結論づけます。

 

 

Wリーグ 2021-22 セミファイナル game2

2カードとも2戦で決着をみましたね。なので手短に(なるかな…w)

 

ダブルチームで守られてゴールに背を向けてる時に裏拳みたいな出し方で逆サイドにパス飛ばすステファニー選手のプレーはもはや芸術の域。そこからコーナーでシュート仕留めるのは今シーズン後半のトヨタ自動車の得点パターンの1つだが、このパターンで立ち上がりに前日無得点の三好選手が3ptシュートを決めた。三好選手は1Qでさらにもう1本3ptシュートを決めて、トヨタ自動車は優位に試合を進めた。game1よりタイムシェアもして、余裕を感じた。私は勝利確定だと思っていたが(笑)、シャンソン化粧品本当に強いチーム。リバウンドへの意識を高めて、千葉選手、野口選手がどんどん飛び込んでくる。ディフェンスでのローテーションが早くカバーも完璧でスティールを連発。平面で対抗する上で120点のディフェンスだった。

その嫌な流れを打破したのが長岡選手。2pt・2reb・4ast、スタッツだけ見ればもっと活躍した選手は何人もいるが、冷静沈着なプレー(長岡選手には似合わない言葉だが…苦笑)で味方の動きを引き出した。ディフェンスを落ち着かせて、オフェンスに流動性を取り戻させた。個人的にはこの試合のMVP。

点差が広がった4Qはステファニー選手・宮下選手の同級生コンビで破壊力あるオフェンスを展開。ラスト2分はこれまでプレータイムに恵まれなかった平野選手、佐藤選手もコートインし、怪我の梅木選手以外全選手がプレーオフを経験。平野選手は早々に3ptシュートを放ち、このシュートは外れるも4ptを挙げた。佐藤選手も得点は決められなかったが、イキイキとプレーしていた。銀河系軍団に入った以上は覚悟の上とはいえ試合に出られないことは選手として悔しいに違いない。しかし彼女たちが腐らずに日々努力しているからこそ質の高い練習が出来るし、スター選手たちの慢心を許さない環境が生まれる。試合後佐藤選手は涙を見せていたが、色んな葛藤があってものだと思うとこちらまでウルウルときた…

 

 

シャンソン化粧品、鵜澤ACが常に拍手して選手を鼓舞するポジティブな姿が印象に残りました。SFでベンチ入り出来なかった李HCが作り上げたチームは戦術的にも雰囲気としても非常に魅力がある。こういうコーチの下でプレーしたいと思う選手はたくさんいるはず。ビッグセンター、スラッシャーの補強が必須。さらには知名選手がローテーションに加われるようになるとチーム力は上がり、もう1ステージ上に進めるのではないか。

 

 

走れない・ドリブルが多くボールが回らない。岡本選手、林選手が急に戦線離脱したわけでもないのに、彼女たちがいないなりの戦い方が出来ず、渡嘉敷選手をリスペクトしすぎたENEOS。対する富士通はスピードのミスマッチを徹底的に突いて得点を重ねた。

ボクシングのルールならベンチからタオルが投げ入れられてギブアップ宣言するような展開だったが、2Q半ばから息を吹き返した選手たちの勝負根性にはあっぱれ。4Qは梅沢選手を外して、渡嘉敷選手をインサイド主体でプレーさせる4アウト布陣。渡嘉敷選手が立て続けにバスケットカウントを獲得するなどらしさが出てきたが、これを最初から出来ないのはHCが悪いのは外野には見えない何かがあるのか。

それはさておき…ENEOSは肉薄したが追いつけなかった。オコエ選手がアジアカップ決勝を彷彿とさせるカットインから決めるとタイムアウト明けには町田選手が時間を目一杯に使っての巧みなキープから仕上げはバスケットカウント。これで勝負は決した。

ENEOSは16シーズンぶりにファイナル進出を逃した。私が「歴史が変わった」という表現に違和感を覚える所以だが、結果至上主義のチーム。昨シーズンに続いてHC交代か。梅嵜HCは渡嘉敷選手が試合中に大怪我を負うアクシデントを乗り越えて皇后杯を制し、Wリーグでもファイナルには進出した。昨シーズン以上の戦力で昨シーズン以下の結果に終わったのだから、会社OBが指揮する体制の見直しまで求められるのではないか。

 

さてファイナルは富士通×トヨタ自動車の組み合わせとなった。ENEOSシャンソン化粧品もいないファイナルはWリーグ史上初、日本リーグ時代も含めてこの2チームがともに3位以下になるのは44年ぶりとのこと。完全試合も28年ぶりなので難しいことだが、それ以上にこの2チームの壁を破ることは難しいのだろうか(比較対象がおかしいw)

さてさてプレビュー的なことを。

選手層、戦術・戦略の引き出しはトヨタ自動車が相当上回っていて、2連勝であっさり決まる可能性すらあるが、正直ENEOSの方がやりやすい相手ではないかと(3シーズン前までなら口が裂けてもこんなこと言えないww)実際富士通には皇后杯準々決勝で敗れているが、富士通の強みとしては…

  • 安定したディフェンス
  • トランジションオフェンスからの3ptシュート
  • 宮澤選手、中村選手の常勝軍団での経験
  • 移動負担の少なさ
  • ファン、メディアの後押し

トヨタ自動車はSF2試合でも前半得点が伸びない時間帯があったが、そういう時に走られて主導権を握られると辛いところ。ハイスコアになればトヨタ自動車、ロースコアなら富士通が優位(誰でもわかることwww)

トヨタ自動車がgame1を取れば連勝で決着、富士通ならgame3までもつれると予想します。もつれた場合どちらが制するかは神のみぞ知るってことで←

Wリーグ2021-22 プレーオフセミファイナル ENEOS×富士通 game1

オコエ選手に3ptシュートを打たせるセットオフェンスはテンポが悪く、シュートは入らず、リバウンドに誰もいっていない。帰陣も遅い。最悪の入り方だった。タイムアウトで相手の流れを止めたが、そこから1分も経っていない状況で、町田選手の3ptシュートが決まっただけでENEOSが謎のタイムアウト。この試合のターニングポイントであり、これ以上語る必要ないですよね?笑笑

富士通のオフェンスがさらに整理されて、もうあとはゴーゴーですねw

町田選手、篠崎選手の勝負強さは言わずもがな。宮澤選手、内尾選手のディフェンスも光った。個人的には内尾選手がMVP。ディフェンスだけでなく、ここぞの場面での3ptシュートも。岡田選手も決してプレータイムは長くない中で2本の3ptシュートは集中力が研ぎ澄まされていた感じで素晴らしかった。そして勝負所でギアを上げて走って飛んだ中村選手の活躍も見逃せない。ヒロインインタビューで「勝ち負けよりも大切なことを重んじるからこそ勝ちに繋がっていく」という旨の発言をしていたが、これは古巣幹部への強烈なメッセージではないか。

プレーオフ前に戦線離脱した林選手、3月以降アウトサイドでのプレーを主体にしている渡嘉敷選手。目先の勝利より大切な選手を守るということが忘れられていないか。勝利絶対主義で挑みながら、アウトサイド主体でプレーする渡嘉敷選手と宮崎選手、髙田選手の役割整理が出来ていない・シューター林選手やハードワーカー岡本選手とボールを持ってナンボな宮崎選手、髙田選手の特徴の違いに応じた戦い方が出来ていないのは見ていられなくなる…

モンデーロHCやマルコビッチHCなら立ち上がり3分のリードを活かし、常に10点以上のリードをキープして危なげなく勝利していたのではないだろうか。

 

こういう逆境を跳ね返すのがENEOSという声もあるが、渡嘉敷選手が終盤足を引きずり、試合終了後早々にコートを後にしたのが気になるところ。昨シーズンのファイナルや今シーズンのトヨタ自動車との対戦を振り返る限り修正力には期待できない。もし今のENEOSがファイナルに進出したら、それはもう優勝だろうが、あくまで選手の力。

中村選手からの強烈なメッセージを重く受け止めて欲しい。。

 

 

 

Wリーグ2021-22 セミファイナル トヨタ自動車×シャンソン化粧品 game1

シャンソン化粧品は李HCがベンチ入りできず、鵜澤ACがHC代行を務めた。コーチングスタッフからは緊張の色が伝わってきたが、選手たちはのびのびとプレーしていた。トヨタ自動車も約1ヶ月ぶりの試合となったが、普段通りの入り方が出来ていたと思う。しかし1ヶ月空くとどうしても狂いは生じてしまう。ボールファンブルや合わせのパスが合わないシーンが前半何度か見られた。3ptシュートは1/10。それでもスイッチしても1on1で守り切れるインテンシティの高いディフェンスと徹底してインサイドへアタックし、10点リードで折り返した。

冒頭に貼ったハイライト動画にも入っているが、エブリン選手がゴール下で待ち構え、さらに後ろからステファニー選手が飛んできて、ブロックショットなんて相手からしたら絶望的な気分になりますよね…ソハナ選手含めてまさに擁壁。以前富山グラウジーズでジョシュア・スミス選手らビッグマンのことを立山連峰だとか名付けられていたが、トヨタ自動車インサイドにも誰か名付けてください笑

それはさておき、ディフェンスでリズムを作ったトヨタ自動車ペースになった中での小池選手の闘志あふれるプレーは素晴らしかった。

1Qの終わり方を見るとシャンソン化粧品に勢いがつきそうだったが、流れを渡さず、川井選手がこの試合前半唯一となる値千金の3ptシュート!トヨタ自動車移籍後最高の笑顔を見せた(どなたか撮ってませんか?笑笑)

レギュラーシーズンでは2Q半ばの3ptシュートで事実上決着した試合を何度か見た。実際この試合でも川井選手の3ptシュート後にシャンソン化粧品タイムアウトを取ってもなおトヨタ自動車の勢いを止められず、15点差まで開いた。それでも𠮷田選手のディープスリー、鮮やかなカッティングなど自分たちのオフェンスを取り戻し、食い下がった。三菱電機デンソーを下して勝ち上がってきた力は本物であることを証明した。

8点差まで詰め、後半に向けてさらに勢いをつけたかったが、その目を摘んだのは闘魂ディフェンス。ガードの山本選手がセンターの佐藤選手の動きを封じると三好選手がスティール。シャンソンの前半ラストオフェンスの機会を奪って、最後はステファニー選手が得点。15点差以上あってもおかしくない展開だったが、それでもこの前半の終わり方を見て私は勝利を確信した。

そして迎えた後半。モンデーロHCは三好選手ではなく乗っている川井選手をコートに送り出した。まずはスターター5人で後半もというHCは多い。ましてや三好選手は前キャプテンで、レギュラーシーズンで大活躍していた。今シーズン限りでの引退も表明している。セオリーにも情にも左右されず、勝利の可能性を高めるための采配が出来るのが世界的名将なのだろう。

選手層で劣るシャンソン化粧品はインテンシティの高い相手に対して後半は動きのキレを失ってしまった。川井選手が2本の3ptシュート、ソハナ選手のバスケットカウントなどトヨタ自動車がオフェンスショーを展開。3Q半ばで完全決着をみた。

ヒロインインタビューはステファニー選手が受けていたが(34分出場・19pt・10reb、トークも上手いので当然)、個人的にはMVPは川井選手。シュート、パス、ドライブ1つ1つのプレーに迷いがなく、シックスマンの役割を全う。移籍後ベストパフォーマンスだった。

 

2連覇する上では馬瓜姉妹の負担をもう少し軽減させたいところ。プレーオフなので内容とかタイムシェアとか言ってられないのは分かるが、負担かかりすぎると気持ちが入りすぎて、セルフィッシュになってしまう面があるので…復帰した長岡選手に期待したいところ(表情が穏やかすぎて、ファイティングスピリッツが戻っているのか心配だが…苦笑)宮下選手もENEOS戦、デンソー戦では随所に持ち味を出しており、もっとやれる選手のはずだ。

また3ptシュートは結局5/19と低調のまま試合を終えた。三好選手は0/4、3pt以外も含めて得点0だった。しかしここは全く心配していない。彼女はこのまま終わる選手ではないから!1本決まれば彼女もチームも乗れる。

ファイナルに導くのも2連覇に導くのも三好南穂だと思っているし、惜しまれつつ華麗にコートを去っていく姿しか想像できない。

Wリーグ2021-22 セミファイナル プレビュー

スポーツ新聞社のネット記事が格段に増えるなどメディアの注目度が昨シーズンまでと比べて大幅に上がっており、チケットの売れ行きも好調なWリーグプレーオフ

セミファイナルはトヨタ自動車×シャンソン化粧品ENEOS×富士通の組み合わせとなった。シャンソン化粧品のアップセットには驚かされたが、昨シーズンから取り組んできたスタイルを貫いた上での素晴らしい結果・内容だった。

それではセミファイナルの展望を…

 

戦力値に違いがありすぎるというのが正直なところ。特にフィジカル、パワーとフォワード・センターのサイズ差が顕著で、トヨタ自動車が2試合とも圧勝でファイナルに駒を進めても何ら不思議ではない。シャンソン化粧品が上回る部分としては3ptシュート、インサイドのクイックネス、そして平塚ラウンドを勝ち上がってきた勢いか。ファトー選手、佐藤選手でソハナ選手(河村選手)をかき乱したい。そして3ptシュートを高頻度・高確率で決めていければ、約一カ月ぶりの試合となるトヨタ自動車を飲み込めるかもしれない。

しかしそこからもう1勝となると話は別。これまで全く見せてこなかった秘策があって、それがハマらないことにはアジャスト力も高いトヨタ自動車斬りは現実的ではない。

よってgame1では試合間隔が空いたトヨタ自動車の苦戦・敗戦はあるかもしれないが、大アクシデントがない限りは順当に勝ち上がると予想している。

 

昨シーズンまでと比べて実力伯仲の両チーム。実際先月の対戦では富士通は隔離明け直後でコンディションが万全には程遠いにも関わらず、game2で快勝している。ただそこから試合が開催出来ずにプレーオフを迎えたため、約2年ぶりの復帰を果たした栗林選手など戦力底上げができなかったのは痛手。

一方のENEOSは怪我人続出の中でのデンソー戦、三菱電機戦で髙田選手が獅子奮迅の活躍。星選手、奥山選手も手応えをつかんだ。

この対戦でカギを握るのはHCがベンチメンバーをどれだけ信頼して送り込めるか。ここに尽きる。渡嘉敷選手は40分またはそれに近いくらい出る。富士通のガードは町田選手、篠崎選手、岡田選手の3人でローテーションする(赤木選手、星田選手はほぼ出ない)これは前提としてENEOSであれば星選手、藤本選手。富士通であれば田中選手、藤本選手。こういった選手たちを活かせるか。

とはいえ両チームともスターターを酷使する根性の戦いになる予感しかしない(笑)そうなるとプレーオフに向けての調整過程において分があり、インサイド陣のサイズでも上回るENEOSがgame3で押し切るか。ただENEOSは林選手が万全で臨めないとインサイドで作れる優位性を最大化できず、また岡本選手は戦線離脱しており、走り負けしてしまう可能性もある。

昨シーズントヨタ自動車がリーグ制覇して動かした日本女子バスケ界の歴史をさらに動かすためには富士通がファイナルに進んでほしい。バスケスタイル的にも富士通の方が好みではあるが、ENEOSインサイドの強みを活かして勝ち上がると予想。

(このカードは難しいですね…どちらが勝ち上がってもおかしくない。連勝する力もあると思うが、ウーン…どちらにせよgame3までもつれそうですね)

 

詳しくはこちらを見てください←

 

では皆さんプレーオフを楽しみましょ〜

推しチームがプレーオフに進めなかった人も敗退した人も楽しむ形はあります。あの選手やこの選手が1ヶ月後にはうちの子かもしれませんよ?!

Wリーグ2021-22 プレーオフ 平塚ラウンド雑感

先週末はWリーグ以外のスポーツ観戦をしていたので、まさに雑感で手短に終わるはずです(笑)

 

セミクォーターファイナル

3月に4試合中止(不成立)となり、試合勘が心配された富士通だったが、なんのその。速攻と3ptシュートで日立ハイテクを圧倒し、実質1Qで試合は決してしまった。

日立ハイテク富士通のスピードを封じるか自分たちの強みであるインサイドの高さ・強さを活かすかを徹底出来ていなかったように感じた。インサイド起点で主導権を握ろうとダラーメ選手を投入したが、時既に遅しだった。

 

こちらは予め決まっていたスケジュールとはいえ、1ヶ月以上試合間隔が空いたシャンソン化粧品。調整は難しかったと思うが、どの選手もコンディションは良く、レギュラーシーズンを戦い終えた時点で三菱電機との対戦になる可能性が高かったため、スカウティングもバッチリだった。特に10センチ近く大きい西岡選手をシャットアウトした佐藤選手のディフェンス、ボックスアウトなど身体を張ったプレーは圧巻の一言。その佐藤選手、𠮷田選手のルーキーコンビは終盤のFTを落とさない強心臓ぶりも見せた。

三菱電機も根本選手が勝負強さを発揮したが、オンファイアが少し遅かったか…

 

クォーターファイナル

東藤選手のオンファイアが早かったか…リーグ屈指のディフェンス職人である内尾選手との1on1を制してのバスケット・カウントはクレイジーなレベルだったが、4Qトヨタ紡織のオフェンスは沈黙。富士通が見事にアジャストして逆転。ホームコートアドバンテージ(?)も味方したか。

試合中止が続く中でモチベーション維持が特に難しかったチームだと思うが、プレーオフで自分たちの特長を発揮し、セミファイナルに駒を進めたことはただただリスペクト。特にシーズン半ばで負傷し、そこからプレーオフに向けてコンディションを上げ、大車輪の活躍を見せた宮澤選手のプロフェッショナルぶりには言葉が出ない。

 

シャンソン化粧品のチームとしての遂行力の高さにただただ驚かされた。小池選手のゲームコントロール、𠮷田選手のクイックリリースから放たれる3ptシュート、佐藤選手の泥臭く献身的なプレー、千葉選手の高速ドライブ、大沼選手の安定感。個々でも輝きを放っていたが、ファトー選手のスリップにデンソーは終始対応出来なかった。

隔離明け後すぐに試合、1週間空かずにプレーオフ。フィジカルコンディションとしてはデンソーが一番難しかったかもしれない。本川選手の不調も痛かったが、攻守でアウトサイドの弱さが随所に見られた。プレーエリアが広いインサイドプレーヤーが今オフの補強ポイントとなるのではないだろうか。

 

これでセミファイナルはトヨタ自動車×シャンソン化粧品ENEOS×富士通の組み合わせとなった。

別途プレビュー記事を書こうかと思います。

コロナ禍での大会運営に関して

リーグは混乱しているであろう中で試合開催出来るよう最大限の調整をしていると思う。運営担当者自身も感染対策を徹底する中でスケジューリングに奔走されているはずで、最大限の敬意を表したい。

その上でルール、レギュレーションの不備があると思うので、指摘させていただく。来シーズンも罹患者発生=試合中止の状況は続くだろうから…

 

  • 最初に罹患者を出したチーム側が得をするのはおかしい

結果的に後日アイシンから罹患者が発生し、不成立試合となったが、腑に落ちない当初の決定だった。

 

このカードは元々1/22.23に行なわれる予定だったが、1/8にアイシンから罹患者が発生したため中止、3月に延期となった。この時期に隔離期間が14日間から10日間に短縮されており、開催出来ないことはない状況だったが、1/17にリーグ側がコンディション考慮で中止の決定を下している。

東京羽田としては大田区総合体育館でのホームゲームであり、開催したかったはず。にも関わらず振替試合時にコロナ事情以外で選手を揃えられなかったから不戦敗では可哀想。選手たちもSNSでやり切れない気持ちを表現していたが、もっと言いたいことがある感が伝わってきた…せめて3/22〜24の間で1試合だけでも組めなかっただろうか。

結果的に両チーム勝ち点0の不成立試合となったが、元々がアイシン起因で中止なので、最初から不成立もしくは両チームに勝ち点1×2試合分が妥当だったのではないだろうか。もし当初決定通りアイシンが不戦勝で、その後の試合の結果により、アイシンがプレーオフに進出していたら、禍根が生まれたことだろう。。

 

  • 隔離明けから試合までの準備期間や試合間隔に決まりが設けられていないのでは?

富士通は3/5,6のENEOS戦に向けてのチーム練習をおそらく1日しかしていない。一方で前述のアイシンのケースだと3〜4日はあったと思われるが中止。また山梨は結果的に再変更があったものの、5日間で4試合を行なうスケジューリングがなされた。山梨の選手は競技専念ではなく他に仕事をしているだけに相当な負担が生じるが、一度はその過密日程が組まれた。富士通、山梨には無理させて、アイシンにはさせなかった。隔離期間の違い(今はさらに短縮されて7日間)、隔離期間が短くなったが故に無理すれば開催できる場合も出てきた、スケジューリングの難しさなど1月と異なる事情はあるものの、1月だと罹患判明後すぐに中止が発表されていただけにプレーヤーファーストで動けていない側面もある。基準がハッキリしていない。コロナ禍において完全な公平はあり得ないが、明らかな不公平はよろしくない。

また売上・収益などお金の面で考えるとWリーグはプロではないので、興行収入を優先したという発想はないと信じているが、それでも中止して振替試合を設定するとなると損失は相当生じる。なので人気チームの試合は特に中止したくない気持ちは分かるが、この視点から考えても基準を明確化しなくてはならない。

 

  • 勝ち点で順位を決めるのは不公平

レギュラーシーズンの順位は勝ち点により決定される。勝ち:2、負け:1、不成立:0が付与されるシステムだが、引き分けがないバスケットボールという競技において勝ち点制を導入したことが不思議でならない。

例えば富士通は残り2試合連敗すると勝ち点39となり、40のトヨタ紡織を下回る。しかし勝率だと富士通.772、トヨタ紡織は.666に留まる。富士通はこれだけの高勝率でありながらコロナ事情により2試合不成立になったことで、5位もしくは6位となってしまう可能性があるのは悲劇としか思えない。

勝ち点制ならせめて勝ち:3に出来なかったか。勝ちと負けが1しか変わらないのは勝ちの価値が低いようにも思う。ちなみに勝ち:3だと富士通は残り試合連敗してもトヨタ紡織と56で並び、直接対決で連勝している富士通が上位となる。

シーズン前から決まっていたことで、今から変更するのはナンセンスな話だが、来シーズン以降は勝率もしくは勝ち:3の勝ち点制にすべきだと考える。

 

  • プレーオフのトーナメントフォーマット変更も必要ではないか?
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ホームアンドアウェーの概念がないリーグにおいてレギュラーシーズン上位チームにプレーオフでのアドバンテージを与える現フォーマットは平時ならベストに近いベターだと思っている。しかしコロナ禍において全試合消化出来ないチームも出てくる中ではベターではないのかもしれない。

QFは1位×8位、2位×7位、3位×6位、4位×5位のフォーマットの方がベターではないだろうか。代わりにQFから土日(月)での2戦先勝方式とし、チームの総合力が試される仕組みにするのはどうだろうか。1会場で4カードはさすがに無理があるので2会場必要。出来れば東北と関西とか首都圏、愛知県以外で東西2ヶ所が望ましいと思う。SFも現状通り2戦先勝方式、土日(月を休養日とし火)で愛知県もしくは静岡県が望ましいと思う。QFを2戦先勝方式&2ヶ所開催にすることで選手の疲労は高まり、開催経費も増加するので、ファイナルは一発勝負にしても良いと思う。優勝がいつ決まるかの分かりやすさもある。首都圏の1万人規模アリーナで盛大に開催して欲しい。

Wリーグ理事の伊集南さんも就任前ではあるが、ファイナル一発勝負を提案していた。マイナーなリーグにおいて優勝がいつ決まるか分からない・平日の可能性もあるのはマイナス面が大きい。バレーボールVリーグ、女子ソフトボールリーグ、ハンドボールリーグになども優勝が決まる試合はここだと分かる。あのJリーグですら2005年に一度廃止したチャンピオンシップ(プレーオフ)を人気低迷打開策として2015,16年に復活させたこともあるくらい優勝がいつ決まるかが分かっているおいうのは大事なことなのです。

優勝決定戦だけでなく、ベスト5、新人王等個人表彰や引退選手の挨拶なども行ない、リーグ全体のシーズンファイナルイベントという形で開催すれば尚良い。ファイナル出場チーム以外のファンも観に来るだろうから、集客も見込めるのではないだろうか。

 

  • ファン目線も忘れずに

プレーヤーファーストで考えれば東京羽田×日立ハイテクの振替試合は3/27,28に平塚で開催した方が良かっただろう。設営・撤去の都合もあるだろうが、東京羽田のファンとしては平塚より代々木第二の方が行きやすい。シーズン最終戦としてはこれで良かったのではないか。

残り試合が無観客含めて愛知県開催だった山梨のファンとしては東京の方がまだ近く、観戦環境が整った施設でもあり、急ではあるものの嬉しいお知らせだったのではないか。

一方ENEOSと対戦予定で日程表左側だった三菱電機は対戦相手が山梨に変更となり、なぜか日程表右側になってしまった。三菱電機側だと思ってチケットを購入したファンにとってはショッキングなこと。Twitterで声を挙げた方がいるが、今のところリーグ側の動きはなく、ファンの間では交換・譲渡の希望が続出している。またENEOSは代々木第二での3試合が中止となり、振替は無観客2試合と平塚1試合となった。

3/19,20の全席払戻→再販売とか3/19,20のチケットを買っていた人の中で希望者が平塚開催の抽選販売に申し込めるとかシステム的に難儀な注文をするつもりは毛頭ないが、何か救済策はあってもいいのではないか。例えば3/19,20は同じ料金内のエリアであれば自由席、平塚開催のアリーナ席は試合毎に入れ替えとか。

それもこれも余分なリソースがかかることは重々承知しているが、ファンもコロナ禍で給料が減ったり学校での楽しみが減ったりしている。試合観戦してもソーシャルディスタンスサイン会とかお宝グッズが当たる抽選会とかプロスポーツ選手のようにオフザコートでの楽しみがあるわけでもない。

コアファンがいつまでもコアファンで在り続けるとは限らないし、五輪を機に興味を持った新規ファンがシーズン終了後離れていくことだってあり得る。予算も人員も不足しているのは分かる。ファンの心を掴もうと努力している選手たちの気持ちも分かるが、ファイナルで1万人集客する目標を達成するためにはファン目線での取り組みが必要だし、地道に積み重ねていくことで今回は目標に到達しなくても、固定ファン増に繋がっていくと思う。

 

ハンドボールではプレーオフ出場予定チームから罹患者が発生して、出場辞退=不戦敗という事態が起こってしまった。Wリーグではそういうことが起きないよう願っている。そして1月から5月に延期されたオールスター含め大盛況でシーズンを終えられたらこの上ない喜びである。