コロナ禍での大会運営に関して

リーグは混乱しているであろう中で試合開催出来るよう最大限の調整をしていると思う。運営担当者自身も感染対策を徹底する中でスケジューリングに奔走されているはずで、最大限の敬意を表したい。

その上でルール、レギュレーションの不備があると思うので、指摘させていただく。来シーズンも罹患者発生=試合中止の状況は続くだろうから…

 

  • 最初に罹患者を出したチーム側が得をするのはおかしい

結果的に後日アイシンから罹患者が発生し、不成立試合となったが、腑に落ちない当初の決定だった。

 

このカードは元々1/22.23に行なわれる予定だったが、1/8にアイシンから罹患者が発生したため中止、3月に延期となった。この時期に隔離期間が14日間から10日間に短縮されており、開催出来ないことはない状況だったが、1/17にリーグ側がコンディション考慮で中止の決定を下している。

東京羽田としては大田区総合体育館でのホームゲームであり、開催したかったはず。にも関わらず振替試合時にコロナ事情以外で選手を揃えられなかったから不戦敗では可哀想。選手たちもSNSでやり切れない気持ちを表現していたが、もっと言いたいことがある感が伝わってきた…せめて3/22〜24の間で1試合だけでも組めなかっただろうか。

結果的に両チーム勝ち点0の不成立試合となったが、元々がアイシン起因で中止なので、最初から不成立もしくは両チームに勝ち点1×2試合分が妥当だったのではないだろうか。もし当初決定通りアイシンが不戦勝で、その後の試合の結果により、アイシンがプレーオフに進出していたら、禍根が生まれたことだろう。。

 

  • 隔離明けから試合までの準備期間や試合間隔に決まりが設けられていないのでは?

富士通は3/5,6のENEOS戦に向けてのチーム練習をおそらく1日しかしていない。一方で前述のアイシンのケースだと3〜4日はあったと思われるが中止。また山梨は結果的に再変更があったものの、5日間で4試合を行なうスケジューリングがなされた。山梨の選手は競技専念ではなく他に仕事をしているだけに相当な負担が生じるが、一度はその過密日程が組まれた。富士通、山梨には無理させて、アイシンにはさせなかった。隔離期間の違い(今はさらに短縮されて7日間)、隔離期間が短くなったが故に無理すれば開催できる場合も出てきた、スケジューリングの難しさなど1月と異なる事情はあるものの、1月だと罹患判明後すぐに中止が発表されていただけにプレーヤーファーストで動けていない側面もある。基準がハッキリしていない。コロナ禍において完全な公平はあり得ないが、明らかな不公平はよろしくない。

また売上・収益などお金の面で考えるとWリーグはプロではないので、興行収入を優先したという発想はないと信じているが、それでも中止して振替試合を設定するとなると損失は相当生じる。なので人気チームの試合は特に中止したくない気持ちは分かるが、この視点から考えても基準を明確化しなくてはならない。

 

  • 勝ち点で順位を決めるのは不公平

レギュラーシーズンの順位は勝ち点により決定される。勝ち:2、負け:1、不成立:0が付与されるシステムだが、引き分けがないバスケットボールという競技において勝ち点制を導入したことが不思議でならない。

例えば富士通は残り2試合連敗すると勝ち点39となり、40のトヨタ紡織を下回る。しかし勝率だと富士通.772、トヨタ紡織は.666に留まる。富士通はこれだけの高勝率でありながらコロナ事情により2試合不成立になったことで、5位もしくは6位となってしまう可能性があるのは悲劇としか思えない。

勝ち点制ならせめて勝ち:3に出来なかったか。勝ちと負けが1しか変わらないのは勝ちの価値が低いようにも思う。ちなみに勝ち:3だと富士通は残り試合連敗してもトヨタ紡織と56で並び、直接対決で連勝している富士通が上位となる。

シーズン前から決まっていたことで、今から変更するのはナンセンスな話だが、来シーズン以降は勝率もしくは勝ち:3の勝ち点制にすべきだと考える。

 

  • プレーオフのトーナメントフォーマット変更も必要ではないか?
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ホームアンドアウェーの概念がないリーグにおいてレギュラーシーズン上位チームにプレーオフでのアドバンテージを与える現フォーマットは平時ならベストに近いベターだと思っている。しかしコロナ禍において全試合消化出来ないチームも出てくる中ではベターではないのかもしれない。

QFは1位×8位、2位×7位、3位×6位、4位×5位のフォーマットの方がベターではないだろうか。代わりにQFから土日(月)での2戦先勝方式とし、チームの総合力が試される仕組みにするのはどうだろうか。1会場で4カードはさすがに無理があるので2会場必要。出来れば東北と関西とか首都圏、愛知県以外で東西2ヶ所が望ましいと思う。SFも現状通り2戦先勝方式、土日(月を休養日とし火)で愛知県もしくは静岡県が望ましいと思う。QFを2戦先勝方式&2ヶ所開催にすることで選手の疲労は高まり、開催経費も増加するので、ファイナルは一発勝負にしても良いと思う。優勝がいつ決まるかの分かりやすさもある。首都圏の1万人規模アリーナで盛大に開催して欲しい。

Wリーグ理事の伊集南さんも就任前ではあるが、ファイナル一発勝負を提案していた。マイナーなリーグにおいて優勝がいつ決まるか分からない・平日の可能性もあるのはマイナス面が大きい。バレーボールVリーグ、女子ソフトボールリーグ、ハンドボールリーグになども優勝が決まる試合はここだと分かる。あのJリーグですら2005年に一度廃止したチャンピオンシップ(プレーオフ)を人気低迷打開策として2015,16年に復活させたこともあるくらい優勝がいつ決まるかが分かっているおいうのは大事なことなのです。

優勝決定戦だけでなく、ベスト5、新人王等個人表彰や引退選手の挨拶なども行ない、リーグ全体のシーズンファイナルイベントという形で開催すれば尚良い。ファイナル出場チーム以外のファンも観に来るだろうから、集客も見込めるのではないだろうか。

 

  • ファン目線も忘れずに

プレーヤーファーストで考えれば東京羽田×日立ハイテクの振替試合は3/27,28に平塚で開催した方が良かっただろう。設営・撤去の都合もあるだろうが、東京羽田のファンとしては平塚より代々木第二の方が行きやすい。シーズン最終戦としてはこれで良かったのではないか。

残り試合が無観客含めて愛知県開催だった山梨のファンとしては東京の方がまだ近く、観戦環境が整った施設でもあり、急ではあるものの嬉しいお知らせだったのではないか。

一方ENEOSと対戦予定で日程表左側だった三菱電機は対戦相手が山梨に変更となり、なぜか日程表右側になってしまった。三菱電機側だと思ってチケットを購入したファンにとってはショッキングなこと。Twitterで声を挙げた方がいるが、今のところリーグ側の動きはなく、ファンの間では交換・譲渡の希望が続出している。またENEOSは代々木第二での3試合が中止となり、振替は無観客2試合と平塚1試合となった。

3/19,20の全席払戻→再販売とか3/19,20のチケットを買っていた人の中で希望者が平塚開催の抽選販売に申し込めるとかシステム的に難儀な注文をするつもりは毛頭ないが、何か救済策はあってもいいのではないか。例えば3/19,20は同じ料金内のエリアであれば自由席、平塚開催のアリーナ席は試合毎に入れ替えとか。

それもこれも余分なリソースがかかることは重々承知しているが、ファンもコロナ禍で給料が減ったり学校での楽しみが減ったりしている。試合観戦してもソーシャルディスタンスサイン会とかお宝グッズが当たる抽選会とかプロスポーツ選手のようにオフザコートでの楽しみがあるわけでもない。

コアファンがいつまでもコアファンで在り続けるとは限らないし、五輪を機に興味を持った新規ファンがシーズン終了後離れていくことだってあり得る。予算も人員も不足しているのは分かる。ファンの心を掴もうと努力している選手たちの気持ちも分かるが、ファイナルで1万人集客する目標を達成するためにはファン目線での取り組みが必要だし、地道に積み重ねていくことで今回は目標に到達しなくても、固定ファン増に繋がっていくと思う。

 

ハンドボールではプレーオフ出場予定チームから罹患者が発生して、出場辞退=不戦敗という事態が起こってしまった。Wリーグではそういうことが起きないよう願っている。そして1月から5月に延期されたオールスター含め大盛況でシーズンを終えられたらこの上ない喜びである。