その前に両チームの直近の試合を振り返りたい。
まず三河。
前日劇的な勝利を飾ったが、3連敗となってしまった川崎はゲーム2で気迫を見せた。
ディフェンスでは桜木、比江島に自由を与えず、要所ではダブルチームで対応した。
オフェンスではファジーカス対オルトン(バッツ)、デービス(バンバ)対桜木など三河の望まないマッチアップに持ち込み主導権を握った。
普段はプレータイムに恵まれないバンバは攻守においてアグレッシブなプレーを見せ、躍動していた。
またオンザコート2-1-1-2を敷く川崎は2Qでの不利が予想されたが、日本人ビッグマン鎌田が奮闘した。
(外国籍選手相手の奮闘ぶりと肩幅が)ずーっと気になっていた鎌田選手をついにメインで取り上げることができました。バッツ選手に押し負けないってアメージングですから!|鎌田裕也「日本人4番が弱点とは言わせない」秘めた闘志で川崎の連敗をストップ!https://t.co/zM2gpYhnPE pic.twitter.com/tcp7pZ14WB
— バスケット・カウント (@basket_count) 2017年12月11日
川崎が終始優位に試合を進め、三河は古参ファンでもあまり記憶にないというほどの大敗を喫したが、これほどまでになってしまったのは桜木、比江島の疲労蓄積だろう。
12/8 川崎戦のハイライト公開🎥
— シーホース三河 (@go_seahorses) 2017年12月11日
フル版→https://t.co/NXSZAPZQfr#比江島タイム 発動で劇的な勝利🙌インタビューでは「絶対自分が勝負を決めてやる🔥」とも‼️#シーホース三河 #Bリーグ pic.twitter.com/I8sFnFOtFm
桜木に関しては試合後のインタビューでHCも認める通り今季はプレータイムが長くなっている。
平均プレータイムは過去5シーズンで最長の29分。
A東京とのゲーム2、川崎とのゲーム1はそれぞれ33分、36分出場している。
40歳を超えた彼には酷な話だ。
また比江島は10月中旬から代表での活動が続き、A東京戦後のヒーローインタビューでは正直な思いを吐露していた。
彼もA東京とのゲーム、川崎とのゲーム1で30分以上の出場を強いられている。
この2人が疲労もあり、激しいマークを跳ね返すことが出来なかったことが何よりの大敗の原因だろう。
※同じように代表活動が続いていた篠山は前週の渋谷戦含め安定したパフォーマンスを披露していた。
比江島も田中大貴も馬場も皆頑張っているが、開幕から怪我もスランプもなく活躍を続けている篠山は誰よりも尊敬に値する選手だ。
続いて新潟。
ゲーム1では新潟が100点ゲームで勝利し、ゲーム2は西宮が100点ゲームで勝利している。
ゲーム2を見たが、新潟の課題はやはりガードナー依存から脱却できていないことだろう。
西宮は基本ゾーンディフェンスを敷き、リング下では時に3人がかりで封じていた。
その中で43点とっているのはさすが得点王なのだが、同時に新潟の問題点も浮き彫りになる。
バスケットの試合において一人の選手でとれる得点の限界はこの程度だが、
新潟のオフェンスはガードナーに取らせることありきで組み立てられており、
封じられた時のオプションに乏しい。
池田、城宝、五十嵐とシュートの上手い選手は揃っているが、意図したパス回しや崩しを経て、
彼らにボールが渡ることが少ないため、良いシュートを打てる機会が少なく、チームとしては成功率が低い。
(池田個人の3pt成功率はリーグ1位ではあるが)
またウイングにスラッシャータイプが不在で、個で打開できるタイプいないこと・今季加入の外国籍選手の能力不足も否めない。
1Qでは互角の戦いだったが、西宮がバーンズをコートに立たせた2Qは為す術なく、後半も流れを変えられなかった。
話が長くなったが、以上を踏まえて三河対新潟のプレビュー。
結論から言って三河の連勝は揺るがないだろう。
2,3番ポジションの選手の質、外国籍選手の能力があまりにも違いすぎる。
新潟としてはオン1の時間帯に遥、今村あたりが踏ん張れるかがまず重要だろう。
次にディフェンスの苦手なオルトンをファールトラブルに追い込み、桜木を引っ張ること。
(もっとも新潟も五十嵐、城宝、ガードナーのプレータイムが長い傾向があるが)
最後にA東京や川崎を破った時のようにガードナーだけでなく他の外国籍選手もスコア出来るかではないか。
代表の活動も一段落し、また三河は前節が金・土開催だったため、休養日が一日多く、新潟に有利な要素はあまりないかもしれない。
だが前回対戦同様あっさりと三河が連勝してしまっては何も面白くない。
新潟の奮起にも期待したいところだ。
PS
桜木のプレータイムが長い問題。
これは彼が帰化選手であるがゆえに起きることではないのだろうか。
3人の外国籍選手なら、60分をシェアするが、帰化選手が含まれると80分をシェアすることとなる。
なので控えの日本人ビッグマンを補強しようにもプレータイムが限られるため、有望な選手は来てくれない。
昨季までの市岡ショーンや日本代表の竹内公輔なども在籍していた時期もあったようだが、桜木の壁は高かったのだろう。
今季はエドワーズが移籍し、ディフェンスの苦手なオルトンが加入したこともあり、桜木の負担が増えているが、彼が引退しない限り変わらないのかもしれない(笑)
バックコート陣も控え選手の充実を図ったつもりが西川、狩俣は何試合も続けて結果を残すことが出来ず、村上、森川はHCの信頼をつかみ切れていない。
特に西川の不甲斐なさが非常に残念だ。アグレシッブに動いてシュートチャンスを作り出し、的確に沈めるのが彼の持ち味だと思うが、コートで特長を何も表現出来ていない。
三河で新しい面も作り上げて飛躍を期待していただけに残念だ。
シーズン終盤にはチームスタイル的に相性の悪そうな千葉、琉球との対戦もある。
今季も昨季の二の舞は避けたいが、上述の控え選手たちが控えに留まらないくらいの成長なくして優勝は厳しいだろう。