皇后杯1次ラウンド〈アイシンAW〉


f:id:antelopes_7_12_23:20201201200208j:image

 

実業団の強豪・紀陽銀行と戦った1回戦。実業団リーグは無観客での開催となっており、情報が少なかっただろう。約1ヶ月ぶりのみの公式戦でもあった。

今季初のWリーグ東西対決となったシャンソン化粧品との2回戦。試合勘の面ではアイシンAWに分があったが、シャンソン化粧品は前日の試合を見て、スカウティングすることができた。

難しい2試合だったと思うが、きっちりと結果を出した。トーナメント大会なので、今回のブログはここで締め括ってもいいのだが(笑)、リーグ戦10試合からの変化・進化も課題も色々と見えたので、掘り下げていきたい。

 

+戦い方の確立

リーグ戦ではほぼ毎試合スタメンが変わるなど試行錯誤を重ねていたが、2試合とも梅木・上長・加藤・宮下・近平の5選手。その5選手のプレータイムも長く、軸となった。ベンチメンバーの役割もハッキリとしており、誰が出ても流れが大きく悪くなることはなかった。フィジカルコンタクトに強い・個で点が取れる選手・リバウンド奪取力のある選手が重用されている印象で、酒井選手、江良選手のプレータイムが少なかった皇后杯だが、酒井選手はパスでリズムを生み出せる。クイックネス、アジリティに長けた江良選手のドライブは梅木選手、上長選手のそれとは違う味があり、活きる場面は絶対にある(実際少ないプレータイムの中で結果は出していると思うが…)リーグ戦10試合を経て、チームのベースが出来上がったので、ここからチーム内での競争力をさらに高めて、レベルアップ・ブラッシュアップしていってほしい。

 

+オフェンススタイルの完成

ある動画コンテンツによると新潟は大滝HCになって決まり事が増えたらしい(新潟の前HCは現アイシンAWの小川HC)桜木TAアドバイザーの考え方も含めて、アイシンAWは決まり事が少ないチームのように思う。実際試合でも緻密にデザインされたオフェンスは少ないように感じるし、2ガード・3ガードを敷いている時間帯でもケースバイケースでコントロールする選手は代わる。その中で特徴を最大限に発揮したのが上長選手。一方で活かされなかった選手もいるが、そこが整理されてきた。

  • 巧みなスペーシングからの梅木選手、上長選手のアイソレーション
  • 宮下選手、三間選手の高さ・強さを活かしたインサイドアタック
  • 三間選手起点のP&R、P&P

 

+若手の成長

三間選手は試合を重ねるごとに成長を感じ取れる。 近平選手との併用時もそれぞれの役割が明確になり、機能し始めた。主に三間選手でインサイドでどっしり構え、近平選手はやや外からダイブ、ドライブ、ミドルシュート。時折三間選手がローポストで受けて、捌く場面も。お互いがプレーの幅を広げている。

紀陽銀行戦の4Qでは翌日を見据えて主力を温存したが、米谷選手がこのクォーターだけで9得点。山口選手は初得点となるスリーホイラーシュートを決めた。

 

ここまではポジティブな面を挙げたが、続いては...

 

 

−ディフェンスの連携

紀陽銀行戦、シャンソン化粧品戦ともにオープンで3ptシュートを打たせてしまう場面が多かったように思う。相手がインサイドにボールを入れた時にボールマンに寄りすぎて簡単に捌かれてしまっていた。2試合とも相手よりサイズで上回っていたため、インサイドで主導権を握ろうとしたのかもしれない。もしくはキックアウトから崩されることを嫌ったのかもしれないが、試合中にもう少しアジャスト出来るようにしていきたい。ディフェンス面は細かい決め事も必要になってくる。3ptが連続で決まり、相手に流れがいきかけたところでも酒井選手の前からの激しいプレッシャーや北川選手のリバウンド、ボックスアウトで粘って、相手に流れを渡さなかったことはチームとしての成長。劣勢を跳ね返す上で酒井選手、北川選手が貴重な戦力であることを実感した。

 

−ベンチメンバーの得点力

シャンソン化粧品戦では4選手が30分以上出場したが、35分以上の選手はいなかった。特定選手に過度な負担を掛けず、一方でトーナメント大会を勝ち上がるための采配を見せた。ただオフェンスが膠着状態の時に流れを一変させるような切り札的存在はおらず、スタメンと三間選手の6選手で全72得点を決めた。髙原選手、米谷選手が安定して得点を決められると相手に脅威を与えられるだろう。

 

−シュートセレクション

得点が止まっている時間帯に梅木選手、上長選手が早打ちしてしまう場面が何度か見られた。積極性な姿勢は評価できるし、責任感の強さからくるものもあるだろうが、より確実な攻め方をすべき場面もあった。シンプルに宮下選手に預けてもいい。このあたりの決め事やベンチからの指示は徹底していくべき。

 

 

対戦相手についても少し触れていきたい。

紀陽銀行は往年の名選手で、解説者としてもお馴染みだった永田睦子氏が昨季からHCを務めているチーム。どんなチームなのか楽しみにしていた。真の実力はこの程度ではないはず。今季はコロナ禍で満足にトレーニングをこなせていないかもしれない。実業団リーグの試合も例年より減少している。来季の皇后杯で真の実力、永田HCの熱い采配が見たい。

シャンソン化粧品はディフェンスの練度が非常に高い。ハンドチェックを常に怠らず、絶妙な5選手のポジショニングと距離感。アイシンAWは組織で攻めることが出来なかった。オフェンスでも丁前HC時代のスタイルを踏襲しつつ、よりソリッドになっているが、如何せん戦力不足。実質7人でのローテーションでは25分までが限界だった。戦い方としては非常に魅力があるだけに来季はWリーグで戦える選手をもう少し集めてほしい。

 

 

ファイナルラウンドは12/16(水)から、アイシンAWは17日にトヨタ自動車と対戦する。
f:id:antelopes_7_12_23:20201201200028j:image

リーグ戦での対戦を振り返ると正直勝ち目は薄い。ダブルスコアもあり得るが、ディフェンスの連携力、3ptシュートの確率を上げて、接戦に持ち込みたい。

※個人的には準々決勝でこのカードは見たくなかったです…(苦笑)正直アイシンAWENEOSトヨタ自動車デンソーに勝つのは現時点では難しい。それ以外のチームなら10回やって3回くらいは勝てるレベルだと思うので…(昨季のあのチームが富士通に勝った)実際トヨタ自動車との対戦だが、トヨタ自動車目線で見れば1Qから圧倒して、余力を残して準決勝・決勝に進めなければ打倒ENEOSなど到底不可能。しかしアイシンAW目線だと大敗は見たくない・リーグ戦での対戦時からのレベルアップを見せてほしい。 

うーん…再抽選しませんか?←多くのファンが東西対決を望んでるし!!